SedgeDesign Adobe illustrator という道具

Adobe illustrator という道具

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「道具を愛せない者に良いものは作れない」ということを言っていたのは、私にとって先輩にあたるデザイナーだったと思います。かなり印象的な言葉でした。

私もその先輩にあやかって、自分の相棒とも言えるほど長い付き合いになっている道具としてのillustratorを語ってみたいと思います。

illustratorとの出会い

1990年代前半、私は専門学校の中では異端的な学生でした。

それは、他の学生たちが卒業制作などを水彩・アクリル絵の具、毛糸・布(!?)などで作ろうとしてる中、1人パソコンで作ろうとしていたためです。

指導教官からは

「君にどう指導したらいいのかわからないよ(笑)」

と言われていました。

そんな私でも当時のパソコンで描いた絵といえば、どう頑張ってプリントしてもピクセルが見える、いわゆるギザギザが見えてしまう絵で、到底アナログの絵に代替できるようなものではないということは理解していて、それ自体を仕事の道具とするにはまだしばらくかかるだろうな、ということは学生の身であっても実感していました。

そんな折、当時のいづみや(現在のトゥールズ)というデザイン・画材専門店に立ち寄った時のことでした。

そこでは店舗の一部を使って「デザイナーのためのPC、Macintosh」といったような見出しで展示会をしていたのです。

「いやーずいぶん盛ってるなあ、まだPCをデザイン仕事に使うのは無理っしょ(笑)」

などと考えながらぼーっと様子を見ていると、営業さんが私に声をかけてきて、サンプルを見せてくれたのですが、それを見て驚きました。

見せてもらったサンプルは、ギザギザが全く無いのです。

「これは?!なんでギザギザが無いんですか?!」

思わずそのような質問をすると、

「これはPostScriptという技術で解像度に依存しないんですよ。MacとAdobe illustratorというソフトを使うとこんな絵が描けますよ」

と説明してくれました。
そしてMacと周辺機器、ソフトウェアの見積もりをもらって更に驚愕します。

当時日本でPCといえばNECが全盛の頃で、どの会社でもPC-9800シリーズを見かけることが多かったと記憶しています。

その98が確かディスプレイとプリンター込みで50万円くらいだった頃です。
Mac+ディスプレイとプリンターの価格は、なんと、

150万円(笑)

そしてそれ以外に、illustratorとPhotoshopが合わせて20万円。
とても学生には手が出せるようなものではありませんでした。

昔のデザイナー


社長に頼み込んで買ってもらったMac一式

少し時間が過ぎ、学生時代に絵コンテの清書やフリップ制作のアルバイトをしていた映像制作会社にデザイナーとして就職することになりました。(いろいろ濃ゆい社員生活でした)

社員のほとんどが映像制作系スタッフという中で唯一のデザイナーということで、最初は少なかったデザインの仕事が徐々に増え、そのうちキャパを超える瞬間がやってきたとき、

「社長、ちょっとこのままだと仕事回りそうに無いので、デザイナーを増やしてもらうか、パソコンを買ってもらえませんか?」

とお願いすると、

「ふむ、ちょっと社員を増やすってのは無理だけど、道具だったら買ってやれるぞ」

という返答があったので、さっそくMac一式と、illustrator、Photoshopなどの提案をし了承されることになりました。

ということで、会社に導入されたのが、Macとディスプレイ、PostScript対応のレーザープリンター、スキャナー、そしてillustrator、Photoshop、PageMaker(現在のInDesignに相当)でした。

なんだかんだで、総額200万くらいだったように記憶しています。

当時はPhotoshopを使う様な案件はほとんどなく、請けてしまったら請けてしまったでマシンパワー的にちょっとキツイというような状態だったため、この時最も使ったのがillustratorでした。

いまでこそ、私の母校でもillustratorの授業があったり、解説本があったり、ここのようなブログ(笑)があったりで、情報を見つけるのは比較的簡単ですが、当時は何もありませんでした。

必死になって付属するチュートリアルを何度も繰り返して、ベジェ曲線のコツを覚えたのは良い思い出です。


フリーになって最初に購入したソフト

また時は流れ1990年代後半、最初に入った映像会社から編集デザイン事務所に籍を移し、そこも退職したあと、フリーになります。

しばらくはPC系雑誌のイラストを描いたり、記事を描いたりしていたのですが、その時も最初に用意したのはMacとillustratorでした。

雑誌のイラストは大抵締め切りが短いので、illustratorでイラストを作成することでかなり時間を短縮できました。

また、雑誌の編集部からもなるべくイラストはillustratorで描いて欲しいという要望もありました。

拡大縮小に強いillustratorの特性上、あとになってサイズ変更の要請があったときにも非常に対応しやすいのです。

この頃になるとPCのパワーもかなり上がってきていましたし、メインメモリーも予算さえ許せば多く積めるようになってきたころでした。

そのためPhotoshopも実用的になっていましたが、どちらかといえばillustratorを使用することが多かったと記憶しています。

学生の頃から3DCGにかなり興味があり、仕事をするようになってから3DCGソフトも数種使ったことがあります。

3DCGが仕事のメインになったときもその原型を考える段階や、3Dオブジェクトの表面の模様=テクスチャーと言いますが、それを作るのにもillustratorを使ってきました。

TVの仕事をしていたときは出版系の案件よりも、もっと時間がありませんでした。

キャラだけ3Dで、背景はillustratorとか、背景が3DCGであっても2Dのものがなじみそうであればillustratorで描いたアイテムを置いたりなどもしています。

そういう意味で、デザイナーやイラストレーターという立場の私をいろいろな意味で支えてくれたソフトと言えます。

今のデザイナー


そしてillustratorを教える立場に

フリーになってからしばらくして、私の師匠から専門学校の講師をやらないかと声がかかりました。

今度は学生としてでなく、講師としての学校生活が始まりました。

講師を始めてからかなり時間がながれ、昔も今も学生を見ていて思うのは、「フォトショは好きだけどイラレは嫌い(苦手)」という子が多いということです。

私はillustratorと共に歩んできたようなものですからイラレの幅広さを説明しています。

また、仕事という意味では私の学生の頃よりもPostScript技術がデザインとイラストに深く結びついていますので、それの代表的な編集ソフトでもあるillustratorは必須と言っても良いくらいです。

「イラレは苦手」というのは食わず嫌いのようなものだと思いますので、こうして日夜啓蒙活動にはげんでいるのです(笑)

今回は「道具への愛」というテーマでillustratorについて語らせて頂きました。

当ブログではillustratorの使い方講座を公開しております。
そちらもぜひご覧いただければ幸いです。






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