【Adobe InDesign攻略ガイド】STEP2:ptからQ・Hの世界へ!文字を完璧に制御する「フレームグリッド」の基礎

【Adobe InDesign攻略ガイド】STEP2:ptからQ・Hの世界へ!文字を完璧に制御する「フレームグリッド」の基礎
おはようございます!
デザイン講師ブロガー、そしてAdobe Community Expertのセッジです!
ごきげんよう。わたくしAIアシスタントのリンネですわ。
IllustratorユーザーのためのInDesign入門、STEP2へようこそ!

前回のSTEP 1では、InDesignの「マージン(天地・ノド・小口)」の概念と、長文の原稿を一気にさばく「自動流し込み(オートフロー)」の強力な機能を体験しました。

今回の記事は、Illustratorユーザーがつまずきやすい「InDesign標準和文単位(Q・H)」を解説します。
さらに、小説や同人誌の組版で必須となる「1行〇文字×〇行」の絶対に崩れない完璧なマス目(文字組みルール)を、あなたも自在に作れるようになりますよ。

セッジ:とりあえず文字は流し込めたね。でもリンネ、これだと『1ページに何文字入っているか』がパッと見で分からないよ?

リンネ:はい、先生。Illustratorのエリアテキストと同じ『プレーンなテキストフレーム』では、文字サイズや行間を変えるたびに成り行きで文字が押し出されてしまいますの

セッジ:それだと、日本の書籍で絶対とされる『1行〇文字×〇行』っていう厳密なレイアウトが作れないね

Illustratorのような自由なレイアウトならプレーンなテキストフレームでも問題ありません。しかし、小説や書籍を作るには、原稿用紙のように文字数をカッチリ決める「マス目」が必要です。

今回は、InDesignによるDTPの要となるその「マス目」と、Illustratorユーザーが戸惑いやすい、印刷物ならではの「謎の単位」について解説していきます。

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なぜ「pt」ではなく「Q」と「H」なのか?

セッジ:InDesignには専用の『マス目』があるんだよね。その設定をする時にpt(ポイント)を使っちゃダメなんだっけ?

リンネ:ダメではありませんが、日本の書籍を作るなら絶対におすすめしませんわ。日本の紙(A判・B判など)は『ミリメートル』で作られています。だから、文字のサイズもミリと互換性のある単位じゃないと、計算が合わなくなってしまいますのよ

セッジ:ああ、1Qは1/4mm、0.25mmだからメートル法と相性良いもんね

リンネ:あっ……(ご存知でしたわっ)

そこで登場するのが、日本の印刷物、とくに冊子や書籍における絶対的な単位「Q(級)」と「H(歯)」です。

  • Q(級): 文字のサイズを表す単位(Quarterの頭文字)
  • H(歯): 文字と文字の間隔や、行間(行送り)を表す単位

難しく聞こえるかもしれませんが、覚えるべき基準となる計算式はたった一つだけです。

【 1Q = 1H = 0.25mm 】

つまり、「4Q」でぴったり「1ミリ」になります。

13Qの文字なら「13 × 0.25 = 3.25mm」。ミリメートル基準の日本の紙に対して、これほど計算・管理しやすい単位はありません。


セッジ:そもそも、このQとHというのは、デジタルフォントが生まれる前の『写植(写真植字)』から来ているんだよね。昔は、文字が描かれたガラス板(文字盤)に光を通し、印画紙に焼き付けて文字を組んでいたんだ

リンネ:はい! Q(級)は文字そのものの大きさですが、H(歯)は光を当てる位置をカチッと移動させるための『歯車の歯』の一つを表していますの

セッジ:だから『字送り』や『行送り』といった、間隔を空ける時にH(歯)という単位を使うんだよね

文字組みを強力にサポートする「フレームグリッド」

セッジ:QとHで計算・管理しやすいのは分かったけど……それなら、STEP 1で使ったような普通の『テキストフレーム』の文字サイズと行送りを、QとHで指定すればいいだけじゃないの?

リンネ:そこがDTPの最大の落とし穴ですわ! 普通のテキストフレームは、あくまで『文字の成り行き』で行が作られます。もし途中にルビ(ふりがな)を振ったりすると、そこだけ行間が広がってレイアウト全体がズレてしまいますの

セッジ:なるほど。でもリンネ、たとえば13Qでマス目を作ったとして、1行目を見出しとして大きくしたら、結局そこだけ行間が広がってズレちゃうんじゃないの?

リンネ:ふふっ、そこがInDesign最強の機能ですわ! フレームグリッドには『グリッド揃え』という見えない強力なルールが働いていますのよ

セッジ:グリッド揃え?

リンネ:はい。もし見出しを大きくしてマス目からはみ出しても、InDesignが自動的に『この見出しは2行分のマス目を使いますね』と計算してくれます。そして次の本文は、中途半端な位置ではなく、きっちり3行目のマス目からスタートしてくれるんですの

セッジ:なるほど!イラレみたいに中途半端な隙間が空く……なんてコトが起きないんだね!

リンネ:その通りですわ。どんなに文字サイズが変わっても、全体を貫く『行のルール』は絶対に崩れない。だから小説や書籍のレイアウトには、このマス目(フレームグリッド)が必要不可欠なんですの

ツールパネルから「グリッドツール」を選択し、画面にドラッグしてみてください。

すると、原稿用紙のようなマス目が現れます。このマス目一つ一つが、設定した「Q(文字サイズ)」の大きさになっています。

どんなに文字数が多くても、途中で文字のサイズが変わっても、このマス目に文字を流し込むことで、InDesignは文字を強制的にピタッと美しく整列させてくれるのです。

実践:「グリッドフォーマット」を作ろう

セッジ:単位の意味とマス目の役割は分かった。じゃあ実際に、この『マス目のルール』を作ってみようか。……あれ? リンネ、ちょっと待って。このパネル、項目の名前が『行間』になってるよ?

リンネ:はい。フレームグリッドの設定では、ここを操作しますわ

セッジ:これ、【イラレ脳】の人ほど混乱するんじゃないかな? 普通の文字フレームやIllustratorなら『行送り』で管理するのに、グリッドになった途端に『行間(隙間)』で数値を入れろ、だなんて

リンネ:先生……! まさにそこがIllustratorユーザー様が最初にぶつかる壁なんですの! まさに『イラレ脳』への挑戦状ですわね……

イラレ脳をリセットせよ!

  • 文字フレーム・Illustrator: 文字の頭から次の頭までの「合計(行送り)」で考える。
  • フレームグリッドの設定: 文字と文字の間の「隙間(行間)」を入力する。

InDesignの文字の設定は、写植指定に準拠していますが、『字送り』『行送り』で考える経験がある人も、ユーザーインターフェイス的に一瞬戸惑うかもしれません。

  • フォント: 任意の明朝体
  • サイズ: 13Q
  • 字間: 0H(ベタ組み)
  • 行間: 9.75H (※13Q+隙間9.75Hで、合計22.75Hの「行送り」)

セッジ:「イラレ脳を一度お休みさせて、ここでは【行送り - 文字サイズ = 行間】の引き算をしよう。13Qの文字で22.75H送りにしたいなら、入れるべきは『9.75H』だね」

リンネ:「流石ですわ、先生! パネルの表記に惑わされず、この計算さえできれば、もうInDesignのマス目は完全にあなたの支配下ですわ!」


まとめと次回予告

今回は、InDesign標準和文単位の「QとH」という単位の理由と、美しいマス目を作る「グリッドフォーマット」について解説しました。

最初にこのルールさえ決めてしまえば、あとはInDesignがそのマス目通りに文字を完璧に配置してくれます。

なるほど、マス目のルール(グリッドフォーマット)ができたのはいいけど……これをSTEP1みたいに数十ページにわたって自動流し込みするには、全ページにこのマス目をコピペしていくの? あと、本にするなら『ページ番号(ノンブル)』や『タイトル(柱)』も全ページに入れたいんだけど……
ふふっ、イラレならそうやって一つずつ手作業で作るかもしれませんわね。でもInDesignでそんなアナログなことはいたしませんわ!このマス目はもちろん、ノンブルや柱もすべて一括で全ページに自動配置して管理する『親ページ(旧マスターページ)』という最強の機能があるんですのよ」
親ページ……?全ページのベースを司る機能ってことか。なんだか、いよいよ本格的な自動組版の匂いがしてきたね
次回、STEP3では、今回作ったグリッドフォーマットを「親ページ」に設定し、柱やノンブルも配置して、自動流し込みと完全に連携させる方法を解説します。お楽しみに!

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