【デザイン】デザイントーク ヨーロッパと日本の違い【アート】

デザイントーク ヨーロッパと日本の違い
おはようございます!セッジです❗
今回は先日Twitterで偶然始まったデザイン対談の模様の記録です。
こんにちは!トラノです❗
ヨーロッパと日本では、デザインへのアプローチも、デザイン教育についても違いがあるようですよ!

それは、あるTwitterユーザーの美術表現に関するつぶやきから始まった。

一般的にブログというものは「解決」を求められる事が多い。

悩みを持った読者がブログに来訪するのは、回答を求めているからだ。
デザインも実は「解決」である。

今回の記事には「明確な回答」は無い。
なぜならば、おなじ「デザインという解決」であっても、ヨーロッパと日本でそのアプローチの仕方が違うからだ。

しかし「デザイナーを排出する」という到達点を解決として見れば、ヨーロッパそして日本それぞれの「回答」と言えるだろう。

今回は、この対談の中からぜひあなた自身の手で「回答」を見出して欲しい。


今回引用したこのお菓子を使った幾何学アートは、
アメリカのアーティスト、アダム・ヒルマン氏の作品である。

自称オブジェクト・アレンジャー。
今作のビスケットだけでなく、チョコやグミなど食材を組み合わせて、独特な世界観の作品を制作している。

ヒルマン氏はインスタグラムで作品を発表しているので、ぜひ他の作品もご覧いただきたい。


登場人物紹介

お徳さん🦅幸せの黒い鴉 @otoku_j
日本に幸せを運ぶ黒鳥。サッカーとは関係なし。日本を幸福にすべく暗躍するアヤシイ活動家。フォローはご自由に。ただしフォロバするかは「あなた」を見て判断します。また私をフォローする場合も、よく「判断」してから決めてください。フォロバするとは限りません。不服な方はフォローを外すなり、私に異議申し立てするなり、どうぞ
https://note.mu/otoku_yatagarasu
Axo Na@森羅の小人 @AxxoNa
欧州育ち&在住。日本の空気読み苦手です😅共感・好感持てる相手フォロー&フォロバします(チェックに時間かかります)🍀猫写真主🐱猫とかインテリアとか雑記ブログ始めたばかりで研究中。よければ読んで下され。
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セッジ💡デザイン講師ブロガー @sedge_design
グラフィックデザイナー+講師+ブロガー。そんな生き方をしています。
アドビ系ソフトの使い方とデザインのブログを運営中➡sedge-design.com
画塾に頼らず自らが子どもに美術特訓して美術高校合格🎨
初心者向けイラストレーターとフォトショップ学習動画を販売中です➡zero_economy

幾何学アートの世界

Axo Na:はじめまして。
海外のデザイン学校に通ってましたが、課題でこういう感じの製作したら
「面白味ないけど」と先生に言われました😂
30年近く前のもので、糊の会社の広告という設定でした。

確かにクオリティというか質が違いますが、貧困学生第一年目だったとこご考慮下さい。
広告のスケッチ的なレイアウト、という課題でした。
「幾何学的で整理された」てとこにかけてリプしました。

Axoさんの作品1

お徳さん:へぇ、それは興味深いな。
それはその先生の単独的な意見?それとも誰からも理解を得られなかったの?
作品のクオリティにも関係するだろうけどな。
セッジ先生、この件に関してご意見賜りたいです🙋‍♂️🙋‍♀️

セッジ:Axoさん、はじめまして。
ひょっとしたら私以上の方のような気がするので僭越ですが…w

面白み無いとは思いませんが、4x4~とか、もうちょっとサンプル多くて、フォトモザイクのように離れて見たらなにか別の形態が見えたりすると好みです

Axo Na:言い訳みたいでもありますが、
当時、もっと違うものをもっと沢山つけたかったです。

写真も論外ですが、そこは写真科でなくあくまで「レイアウト」の課題として。
苦学生でデザイン学校はとにかくお金かかりました。😅

Axoさんの作品2

Axo Na:というか、糊の広告だから、もっと「貼ってる」感を出したいというところが私は気になってました。

色の配置、サンプルのサイズなどは後の事というか。
光の反射とかも気になるし。

セッジ:規則的というレギュレーション(制限)はあったんですか?

貼ってる感、ちぎり絵みたいな表現というのもありなのかもですね。
シャドウボックスのように高低差だすとか・・・。
CHECK! シャドウボックス:同じ切り絵を何層も積み重ねて高低差を出し立体感を持たせ、影を出すことで様々な表情・演出を作り出す技法

Axo Na:「UHUという会社の糊の広告のレイアウト。ポスターや雑誌広告用」の一言でした。
もしかしたら自分で写真撮影も条件だったかも?

Axo Na:今この線状で考えるなら、
色々貼った面を下にして、この画面の向こうに背景を入れて、下から上に向けて撮影するとかかなあ。。。

セッジ:なるほどですー。私がもし同じ素材でやるとしたら…
台紙と素材の間に空間作って、影を流す感じになりそうです(^_^;)

Axo Na:そしたら、糊がうまくつかないみたいに見えませんか?

セッジ:そう取られる可能性もありますか😅
強引に行くなら「ほんの少しのノリでもちゃんと貼れる」的なコンセプトですかねー

Axo Na:写真次第で表現する感じですね。

「広告」という課題で、パッと見ての印象が大事かなと思って、とにかくしっかり貼れるがメインかなと思ってました。
だから、軽いものばかりでなく、それこそ巨大なボルトみたいなものでもつけたかったです。

セッジ:あ、糊というより、接着剤的なレベルなんですね!

Axo Na:色々出してて、スティック型のはスティック糊、チューブはボンドです。

それで、スティックのには紙とかそれ用の素材集めたかったですが、「最も!」な物、数思いつくのが間に合わず、それと、ちょこっと切って貼るための材料買うお金が。😅

セッジ:絶対的なモノではないという前提ですが、おそらく日本文化的にいえば、
「大量に○○」よりも「少量で○○」の方が伝わるのかもしれません。

印象論ですいません😅

Axo Na:ああ、それはありそうですね!
こちらはどうなんだろう??(^▽^;)

その線で行くと、このアイディアでは元からちょっと無理があるかもしれません。
自分が表現したかったことが出来てないので、元を正せば話の種にならない気がしますが。😅

てか、幾何学的が好きかという論点からズレてしまいました

Axo Na:本題にもどりますが、
外国の好みが幾何学とか「整理された」か、あまり意識したことないのに気がつきました😅

国によってとか、デザインかアートか、一般受けか風流人かとかで違いそうですが、ヨーロッパの一部では抽象的で鬱になりそうなほど現実的なのが好まれる、としか認識してなかったです

お徳さん:伝統的な美術史的には合理性を追求していた。

整えられたものが美術だった。
近現代になって、美術観も変わったけどね✨

ヨーロッパと日本の美術教育の違い

Axo Na:日本のデザイン学校なら色々整理した授業で教えてくれる「学校」的なんではないかと思ってたので、こちらだと「自分で考えろ」的なのが不親切というか。

課題もすごく広すぎると思うのですよ、増して入ったばかりの学生に。

セッジ:今と昔と違いますし、専門学校と美大でもまた違いますね。
専門学校は技術重視、美大は企画重視なのかな?

私は専門卒なので、学生時代はデッサン・構成・色彩の基本を最初にやって、それから企画だったと記憶してます。

企画の方はやっぱり「自分で考えろ」でしたw

Axo Na:デッサン、構成、色彩が「最初」というのは、初めはそういう授業だけということですか?

セッジ:そうですねー…。私もはるか昔の記憶なので…。

児童心理学、デザイン概論、美術史などの座学もやっていた覚えはあります。

Axo Na:児童心理学?!Σ(゜゜)
私の方、私の時代では、デッサン、色彩学などのほか、美術史と経理、会社の仕組み(日本語でなんというのか分からんです)とかあったけど。。。

「企画」っていうんですね、それと全部同時スタートだったです。
印刷とか写真とかデザイナーとしての知識程度とか。

セッジ:経理・会社の仕組みはなかったですw

「企画」は要はコンセプトワークです。
広告を作る上での、ターゲット・テーマ・キーワード…など、実制作に入る前の概要を考える事ですね。

印刷は、自分で製版してオフセット印刷するとこまで、写真は撮影して現像までやりました。

Axo Na:経理こそ合理的なヨーロッパならでは?😅

広告を作る上での概要なんて聞いたことない!Σ(゜゜)
課題「XYZ」 提出日●月✖︎日、遅れたやつボツ、
それだけ!!

セッジ:会社の仕組み…は経営論ですかね?

日本の美術専門学校ではやらないんじゃないかな…w
大学ならやるのかもです😅

Axo Na:個人事業、有限会社、などの形態?の違いと、それぞれの経理の違いとか、保証人の義務範囲とか。。日本語の名称が分かりません😅

美大ではプレゼンというか、自分で一言言わされるという感じのありましたが、専門学校は出して、テスト返してもらうみたいに先生の一言あるかないか程度でした。

セッジ:ややアート寄りだったのですかね?そちらだとオリエンと提出だけですか💦

こちらの専門学校は、最低でもオリエン→プレゼン→制作→提出という段階を踏まないとNGになります。基本経過をしっかりしないとダメってことです。

起業論や経営論はやらないんですが、実際の仕事の流れをシミュレーションさせてましたね。そこは教える側になった今でもそうですが…。

Axo Na:日本の教育で覚えてるのが、例えば小学校の図工ですが、指導が具体的で、木の板の切り方から教えてくれる。繊維に向かってこう切ると丈夫になり、てところ。
材料も道具も揃ってるか決まってて個性を出す隙間は狭いけれど知識が得られる。

こちらの図工だと、「木材でクレーンを作ります」その一言なのです。
材料や道具のリストもないのに、13歳くらいの生徒が次回は全て揃えて持ってくる。
そこは、お父さんが手伝ってるんです。

デザイン学校でもこれに近い差があるのかなと思ってたのです

セッジ:概ね、その日本の小学校の…図工の授業を、もっと専門化、高度化したものと言って良いでしょうね。

例えば印刷はシルクとオフセットを製版から実習しました。

ちゃんと理解しないとそれこそローラーに巻き込まれて大事故になりますので…。
いまはそこまでやりませんが、PCの使い方から、入稿データの作り方まで教えますねー
CHECK! シルク印刷:インクが通る部分と、通らない部分を作って印刷する技術。孔版印刷とも言われる。
オフセット印刷:版➜ゴム製ローラー➜用紙と言った具合に、直接版と紙が触れない印刷技術。商業印刷での主流。

Axo Na:そう、こちらもこちら風の図工の授業の延長のような。。。

で、専門知識欲しければそっち科またはそっち専門学校行き直せ、的。

印刷もしましたが、そこサボってて全く記憶にありません😅
PCてかAdobeありましたが、訳分からず、説明もあまり無くて未だ分からないという。。。

セッジ:なるほどー!それだと技術的な事は美大では学べないってことですねー

日本の美大は技術的な事もやると思います。
みんな余裕無いので、専門学校に通い直すのは負担が高いでしょうし。

Axo Na:美大はもっと乱暴でした。
全体的に同じ要領で、課題は「光と影」とか「€500の品」
広告用、などの指示すらなかったです。

みなさんどうやって学んでたのか。。。は、生活費稼ぎに気を取られてサボりまくった私には分かりません。(^▽^;)

Axo Na:後者のプレゼンで教授に絶賛されたのが、韓国人学生の外が黒、中が真っ赤の丸い重箱で、見た瞬間に日本の重箱丸くしただけじゃん、と思ったので、それを絶賛するのは教授の知識不足じゃ無いかと思ったのを覚えています。

セッジ:ヨーロッパの方は…日中韓の区別がつかないと良く聞きますね😅
なので、よっぽどの日本通、東洋通じゃないかぎりは、上っ面(キツイ❗)しか見ていないのかも…。

Axo Na:黒赤漆塗り、赤は中、てとこは、デザイン系の人なら誰でも見た事あると思ったんですよ!日中韓ごちゃでもいいから、代表的だし。

Axo Na:ちなみにその時、私は、課題のアバウトさに疑問だらけでしたが、折りたたみ椅子をデザイン画にしました。

同じ教授の私へのコメントは、「物は新しくないけど、プレゼンの上手さで映えてる」
グラフィックデザインから来た私への嫌味かと思いましたが、プレゼン褒めていただいたと思うことにしました。

セッジ:漆器については、それを新しいモノと捉えたのであればやっぱり無知ですね💦
Axoさんのプレゼンが褒められるって実は結構重要だと思います。

良い製品もPRできなければ誰にも知られないので…。
うちの親父がガチ職人だったのでその逆の発想でした

Axo Na:ガラス玉だって売り方次第で全く違う値段で売れますし!
世界中同じかと思いますが、教授に(作品ではなく)個人として気に入られるかで随分違う。
気に入られなければむしろ学べる事が多いかも。

対談の終わりに

セッジ:まずは繋いでくれたお徳さん、そしてヨーロッパから今回の話題に参加して下さったAxoさんに感謝します。

デザインは解決に導く方法。
でもそのデザインをどうアプローチしていくか、そして学習させていくかというカリキュラムが、日本とヨーロッパではこんなに違うんだなあ、と。

お話していて私もとても面白かった。そんな対談でしたね。

お徳さん:これは是非読んで欲しいですね✨
そしてデザインに興味を持って欲しいですな。デザインはアートと違って身近なんですから。

セッジ:生活の中に、溶け込んでいるものですからねー❗

お徳さん:デザインに興味ないって「何見て物買ってんの?」って思うわけですよ。

Axo Na:別方向の職業に行き着き、何十年もデザインの話をしたことがなく、日本の方は初めてだったので本当に驚きました。
インダストリアルに移った時は、全ての物が「美しく」なれば!と思ってました。少しの気遣いで全てが美しくなると。

Axo Na:お徳さま、セッジ様
横から口出したら思いもよらぬ発展になり、まだ驚いてますが、貴重な機会を頂き有難うございました。

私が加わった対談で、誰かに興味深いものになったなら、それも驚き。
嬉しいです。本当に有難うございました。

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以上が、今回の対談の骨子と言える部分である。
できるだけ会話を拾ったつもりではあるが、抜けた箇所やツイートをブログ記事にするに当たり改変した箇所もあるので、意図が違うようであれば修正していきたいと考えている。

冒頭に書いたように、今回の記事には「明確な回答」はない。
しかし、これを読んだあなたなら、なにか答えを見いだせるだろう。

アートと同じくこの記事は「問いかけ」になっているのだ。

※今回このTwitterで行った対談は多くの方の注目を集めました。
多くの感想ツイートを頂いていますが、現在承諾待ちです。一定数集まったら掲載を予定しています。

先輩、なかなか熱い対談になりましたね❗

そうだねー❗
ボクはもちろん日本での教育しか受けたことが無いから、ビックリしたことも多かったよ❗
モノ作りに対してのアプローチがなんだか違いますよね。

こちらは「技術からの発想」的な考え方をするけど、あちらは「まず発想ありき」的みたいだね。
私はなんとなく後者にピンとくるかもしれません!
さて、当ブログでは他にもこういったデザインとアートについての記事があります❗
ハイ!よろしければ関連記事もご覧ください!
最後までご覧いただき、ありがとうございました❗

▼この記事には続きがあります!よろしければご覧ください!

「線画は絵画じゃないと言われた」 ヨーロッパで美術を学んだ人物はそう語る。 これは日本の美術教育とは何が違うのかを対談によって探ってみた記録である。


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